はじめの一歩8月号(通算第89号 )
「人との出逢い」
小峰美穂子
昨年の夏、母が体調を崩し入院をしました。
何年か前までは、キャンプ場で父親と一緒に働いていました。夏になると朝から晩までよく働いてくれたことが思い出されます。いろいろなお客様が訪れてくださり、「おじさん、おばさん元気でやってる?」と励まされ仕事をしていたそうです。母はよくお客様に対して「今日は毛布1枚だけど寒くないかな」「学生でお金がないだろうに」と心配していました。私はそこまで心配する必要があるのかなと、若い頃思いました。お金を頂いてその分のサービスを提供すれば良いと思っていたのでしょうね。
しかし、昨年母が入院したことで私の考えは違っていたのだと気づきました。
ある日、お客様がキャンプ場を訪れました。その時「おばさんは?」と聞き母親の入院を知ったそうです。その方はわざわざ入院している病院まで来てくださり、母と話をしてくださったそうです。母はとても嬉しかったようで涙を流しながらその時の様子を話してくれました。私も本当に心が熱くなり、嬉しくなりました。
お金では買えないことがあるのだなと改めて学びました。また、母のお客様に対する日常の思いが伝わったのだと感謝の気持ちで一杯になりました。
ステキなお客様にめぐり逢えた両親にかわり御礼を伝えたいです。
ありがとうございます。