子育て、大変だけど楽しい。辛いときもあるけど嬉しいことがいっぱい。
お父さんも手伝ってくれるけど、もうちょっと一緒のいてくれる時があったらもっと嬉しいけど・・・
 古里保育園では子育て奮闘中の皆様と同じ視線で考え、共に成長していきたいと、親として、
保育士として、栄養士としてそれぞれの立場から子育てに関する情報を発信してまいります。

はじめの一歩12月号(通算第81号 )

「おもてなし」

戸田美帆

 流行語「お・も・て・な・し」が大賞に選ばれました。今年の漢字は「輪」が選ばれました。このような言葉に触れる日が、私にもあったのです。
先日、保育園の3歳児クラスで一日過ごしていた時のことです。外で遊ぶ子どもたちは、来園されたK先生を見つけ、手のひらにタッチして「おじいちゃん!」「ねぇ、おじいちゃん」と、近づいて親しんでいました。3歳児の子どもたちにとっては、おじいちゃんと映ったのでしょう。そばにいた私としては、子どもたちがK先生に失礼なことをしないかと少々ハラハラしながら見守っていました。保育室に入ってからもYちゃんは、K先生にタッチしたり、着席されている背後から首に巻きついたりしていました。名前を聞かれたら、「ナ・イ・ショ」と答え、笑いをとっていたのです。一方、Rくんも「お勉強してきたの?」「涙が出ているよ」と顔をじっと見て話しかけています。「はいっ。拭いたよっ」と優しく応対されるK先生。Yちゃんは、それを見て「ここに捨てなっ」とごみ箱をすぐに教えてくれました。帰り際、「年内はこれで」と挨拶される先生に「また来てね~ぇ!」と次回の訪問を歓迎する子どもたち。K先生がにこやかに帰られたのは言うまでもありません。
「おもてなし」。その言葉の流行にとどまらず、子どもたちの心も育てるものであってほしいです。まずは、大人が手本となり、「ありがとう」という姿勢を見せることが大切なのかもしれません。もてなされて嬉しい、「ありがとう」という姿を受けて、「また、もてなしたい」となるのでしょう。言葉だけではない、姿で見せる「おもてなし」の心を私は、この子どもたちとK先生との「輪」から教えて頂きました。ありがとうございました。
見返りを期待しない、素直なおもてなしが私もできるようになりたいと思いました。