子育て、大変だけど楽しい。辛いときもあるけど嬉しいことがいっぱい。
お父さんも手伝ってくれるけど、もうちょっと一緒のいてくれる時があったらもっと嬉しいけど・・・
 古里保育園では子育て奮闘中の皆様と同じ視線で考え、共に成長していきたいと、親として、
保育士として、栄養士としてそれぞれの立場から子育てに関する情報を発信してまいります。

はじめの一歩2月号(通算第59号)

災害への備え

石田 良安

6月にボランティアで気仙沼に行った時の事です。
ボランティアセンターに集まった仕事依頼の中で現地の保育園のヘドロを除去する作業の募集があったので行ってみました。
古里保育園の3分の1くらいの小さな園で、建物は無事な様子でしたが人の身長位まで津波が来た跡が残っていて、1階の中は全滅、2階も地震でメチャクチャでした。外のドロだらけの掲示板には「◯◯ちゃん無事」と、連絡の取れている園児の名前と連絡先が小さく貼り出されていました。周辺もガレキの山だらけで、まだひどい臭いでした。
園庭に溜まったヘドロは40~50cmの厚みで敷き詰められていて、チョコレートケーキを切るようにスコップで四角に切り、土のう袋に詰めていきました。ヘドロの中からは腐った大きな魚や位牌も出てきました。400袋くらい除去したところで片付き、その日の作業時間も終了となりました。
一緒に作業していたボランティアの1人に30代の現地の人がいて話しを聞いてみると、4才の子どもを持つお父さんで妻子共に無事とのこと。仕事は無くなって次の仕事までに体力が落ちないようにと、ボランティアに参加しているそうです。家も無くなってしまい、今は津波を免れた奥さんの実家に住んでいて、朝晩給水車に30リットルずつ水をもらいに行っているそうです。とても明るい人で何事も無かったかのように人と話をしていましたが、その彼の家族の中でお父さんだけが「まだ、会えていない」と言っていました。震災から3ヶ月経っていましたが「何処かからひょっこり現れるんじゃないかな?」と言っていました。そういう性格のお父さんなんだそうです。

恐怖に対して時間が止まっていて、彼の体いっぱいに何かが張りつめているように見えました。


最近では関東でも大地震の可能性があるとニュースで言っています。
自分の家の中を見渡すと倒れてきそうなものがいくつもあります。「大型家具が倒れてくるのでなく飛んでくる感覚」と聞きました。
昼間に地震が起こったなら家族はバラバラです。連絡もとれないかもしれないので、避難場所、連絡方法も考えておきたい。
誰の身にも起こるかもしれない災害に対してしっかり考えなければならない時だと思います。