はじめの一歩12月号(通算第57号)
つながり
原島久美
いつからか、電話に出ると「お母さんの声によく似ているわね」と、言われる事が増えました。母からは、私が鏡に向かっていると「お姉ちゃんそっくり!」と言われるようになりました。自分では気付かない、ふとした所が似ているのでしょうか。
いつだったか、街中で車を走らせていると、どこからか祭り囃子の音が聞こえてきました。思わず窓を開けて、音の聞こえる方に耳を傾けている自分の姿は、いつも父が取る行動とそっくり・・・。我に返り、思わず一人で笑ってしまいました。
親子って、家族って、どうしてこうも似るのでしょうか。父と同じ行動も、母と同じ口調も、姉と似た表情も、直接教えられたわけではありません。同じ屋根の下で生活をし、同じものを食べ、一緒に笑い、怒り、泣き・・・。沢山の事を共感する中で、自然と近くにいる大人の振る舞いや言葉遣いが自分に吸収されていくのだと思います。
いくら喧嘩をしていても、離れて暮らしていても、そのふとした表現が似ていると、やっぱり家族なのだと、その「つながり」を感じます。TVやゲームが普及し、会話が減ってしまう傾向にある今、目には見えないけれど、そうした「つながり」を子ども達が感じる事のできる様な家族であってほしいと思います。