子育て、大変だけど楽しい。辛いときもあるけど嬉しいことがいっぱい。
お父さんも手伝ってくれるけど、もうちょっと一緒のいてくれる時があったらもっと嬉しいけど・・・
 古里保育園では子育て奮闘中の皆様と同じ視線で考え、共に成長していきたいと、親として、
保育士として、栄養士としてそれぞれの立場から子育てに関する情報を発信してまいります。

はじめの一歩4月号(通算第73号 )

『ことば』

下畑好江

 子どもの成長を見る時に、やはり、言葉の習得は気になりますね。
「うちの子は、まだ言葉が出ていなくて・・・」と相談されることもありますが、個人差がだいぶあることを感じます。 声かけや絵本の読み聞かせを沢山するように・・・とよく言われます。
私自身、小さい時にそうした経験が薄く、今でも話すことが苦手です。思い通りに言えず誤解されてしまったり、後になってこう言えば良かった・・・と悔むこともよくあります。
 そんな私にも言葉での思い出があります。それは今から10数年前、青梅市内の保育園から、この古里保育園に移ってきた時、「ありがとうございます!」の一言が自然な形で頻繁に交わされているのにびっくりしました。何も知らず教えられたままに掃除をしていたら「ありがとうございます」と言われ、入ったばかりなのに役に立っているのかな、と感じました。ちょっとしたことでも「ありがとうございます」。感謝の気持ちが伝わってくる、とてもあたたかい言葉です。言う側は自然にやさしい声、明るい声になり、又、言われる側は思わず口もとがほころんでしまいます。そうした雰囲気がチームワークの良さなどにも繋がっていくのかな・・・と思います。日々子ども達と接している中でも、何かをしてもらった時など、当然と思わず、素直な気持ちで「ありがとう!」と言うと、ニコッ!返ってくる笑顔がなんともかわいく思えます。言葉によって表情も変わってきますね。
 もう1つ印象に残っていることは、3才から引き続きで4才児を担当していた頃です。ある日のお帰りの時、「あのね・・・」と言っただけで「~でしょう?!」・・・と具体的な内容は忘れてしまいましたが、私が言おうとしていたことを、そっくり子ども達が言ってくれたのにはびっくりしてしまいました。こんなに小さいのに、どうしてわかったのだろう・・・と。
 日頃交わしている言葉は、人の気持ち、心をも繋げてくれることを実感しました。一方、実際に言葉で伝えないとわからないことも多いですね。話を聞いて「あー、そうだったの」と相手の気持ちを受け入れられることもあります。コミュニケーションをうまくとれると、社会性にも繋がっていきます。やはり“ことば”って大事だなと思います。
 子ども一人ひとりの長所をみつけて、沢山ほめたり、あたたかい声かけを、これからも心がけてまいります。