はじめの一歩2月号(通算第83号 )
「優しさが伝わる」
岡部弘美
以前、「ネコ語ってあるのかな?」ということを書きました。
最近また、言葉って大切だな、言葉で伝えないとな、言葉って嬉しいな・・・と感じたことがありました。
ひとつめの話です。
私は怪我をしました。前十字靱帯断裂です。ブチッ・・・っと音がした瞬間から、今まで普通にできていたことが出来なくなりました。
・おにごっこは1回戦やると、足が疲れて走れなくなってしまう。
・全力で走っても、年長児に負けてしまう。
「先生、足痛くって・・・」と誘いを断ることが多くなりました。
だけど、私の得意分野は運動。
それを取り戻すために手術をしました。
退院後、固いガチガチの装具をつけての生活で、子どもとの接触も危険かな・・・とも思いました。
しかし、そんな姿の私を、子どもたちはすぐに受け入れ、2才児のクラスの子どもさえも毎日のように「ここ痛いの?」「大丈夫?」・・・と声を掛けてくれました。
少し走れるようになると、私のスピードに合わせて「一緒に走るよ」と、つき合ってくれました。
今では怪我をする前とほぼ同じ生活が送れるようになって来ています。それでも私を誘う時には「先生、今日走れる?」「おにごっこできる?」・・・と聞いて来ます。子どもたちの優しさがとても嬉しいです。その度に「ありがとう」と伝えています。
ふたつめは、
先日、大雪が降りました。45年ぶりとのことだそうです。
土曜日に雪が降り、日曜日に雪かき。いつもなら、何とか出勤してしまう私も、朝から雪かきでした。私に限らず、近所の人も同じです。「おはようございます、積もりましたねえ」の挨拶や世間話をしながらの雪かき。私の家は駅へ向かう道路に面しているので、当然雪かきをしている所を歩いて行く人もいました。
知らない人が、「大変ですね」「ありがとうございます」「すいません」・・・と声を掛けてくれ、腰痛い・腕パンパン状態でもすごく嬉しくて、こちらからも「お気をつけて」「行ってらっしゃい」と返しました。
声を掛けられると返したくなるんです。
言葉を持っている人間だからこそのやりとりなんだな・・・と感じました。
世の中には
目が見えない人、耳が聞こえない人、手足が不自由な人など身体的な面で助けを必要とする人がいます。
日常の中でちょっとしたことでも、困っている場面に出くわすことがあります。そんな時、元気な自分にできること、手を貸してあげられること、声を掛けてあげることができる人になってほしいなあ・・・と思います。
まずは私たち大人から子どもたちに示して行きたいですね。