はじめの一歩9月号(通算第66号 )
『忘れ物』
原島芳美
先日、以前から予定していた「ツタンカーメン展」へ夫と二人で出かけました。上野の森は予想を上回る人出で、入場までは50分待ち、しばらくすると整理券まで出る混雑ぶりでした。
会場内は金をふんだんに使った副葬品など、今から3千年以上前の物とは思えない美しさで、特に黄金の棺とカノブス容器は必見でした。
会場を出ると、あまりの暑さに思わずバスに飛び乗り、スカイツリーへと向いました。こちらも、驚くほどの人だかりでした。4階の係りの人に「食事処」を尋ねると、「案外30階が(ソラマチダイニングスカイツリービュー)すいていますよ。」と教えていただきました。
いざ、地上150mの世界へ!
「天空のコテージふう」で、ゆったりとした時間の中で、眺めを堪能しました。
食事を終え、歩いて浅草寺まで、お参りをしました。
すると、急に夫が「あっ、帽子を忘れた。取りに行ってくるよ。」
私は、「もう、その店にはないかもよ。」と一言。
店に着くと店員さんが、私たちが店を出た後、帽子を忘れて行ったことに気づき、すぐ後を追ったそうですが、既に私たちの姿は無く、取りに来てくれる事を待っていたと話されました。
その言葉に、心の中で「東京も、捨てたものじゃないな。とても温かい気持ちになりました。」
「また今度、スカイツリーに来たら、この店でご飯食べようね。」と話しながら、帰路に着きました。
くれぐれも、忘れ物には気をつけましょうね!